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10代サッカー選手(ゴールキーパー)の股関節痛について

痛めた原因と現在の状態

今回の痛みは、股関節が大きく開いた状態(外転位)で、さらに後方や外側へ力が加わり、回旋動作が重なったことで発生した可能性が高いと考えています。
ゴールキーパーはシュートを防ぐ際に、身体から遠い位置まで脚を伸ばしてボールをブロックする場面が多くあります。特に強いシュートに対して足で反応した場合、ボールの勢いによって脚が後方や外側へ持っていかれることがあります。
身体から離れた位置で衝撃を受けるほど、股関節には大きな「てこの力」が加わります。そのため、見た目以上に股関節や内転筋群、鼠径部周辺には強い負荷がかかることがあります。
今回の状態として考えられるのは、
・股関節周囲の骨膜に炎症が起きている
・内転筋群に強い伸長力が加わり、防御反応として筋肉が縮んでいる
・筋肉や腱の緊張が高まり、鼠径靭帯周辺との摩擦が増えて炎症が起きている
などです。
身体は痛みを感じると患部を守ろうとして筋肉を固くし、可動域を制限します。そのため痛みだけでなく、張り感や動かしにくさも発生しやすくなります。
切れてはいないし折れてもいない確率が高い

現在の状態からは、筋肉や腱の断裂を疑う所見は認められていません。
また、完全骨折や不全骨折で見られるような、
・体重をかけられない
・安静時でも強い痛みが続く
・夜間痛が強い
・日ごとに悪化していく
・歩行が著しく困難になる
といった症状も確認されていません。
そのため、現在は「組織が壊れている状態」ではなく、「炎症と身体の防御反応によって動きが制限されている状態」と考えられます。
痛みがあると不安になりますが、現時点では重大な損傷を疑う状況ではなく、適切な管理を行いながら回復を進めていくことが大切です。
ウォームアップとクールダウン

受傷後3日程度は、
・練習後
・入浴後
・歩行量が多かった日
・股関節を多く使った後
などを目安にアイシングを行い、炎症を落ち着かせるようにしましょう。
また現在は、筋肉や腱が急激に伸ばされたことで身体が患部を守ろうとしている状態です。
そのため、ストレッチやウォーミングアップでは普段の可動域を100%使おうとせず、75〜80%程度を目安に行ってください。
身体は「これ以上伸ばされたくない」と感じているため、無理に可動域を出そうとすると痛みや炎症が長引く場合があります。
ウォーミングアップも、
小さな動き
↓
中くらいの動き
↓
大きな動き
という順番で、いつも以上に時間をかけながら身体を慣らしていきましょう。
今後は痛みの変化を確認しながら、可動域の使う範囲と運動強度を少しずつ上げていくことが大切です。
焦って元の状態へ戻そうとするのではなく、身体の反応を確認しながら段階的に負荷を上げることが、早期復帰への近道になります。
からだちの先生