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40代女性バレリーナ 足背部・リスフラン関節周囲の痛みについて

① 現状説明(評価結果・考察)

※以下は、からだちで確認した症状と身体所見に基づく評価・考察です。疾患の確定診断は医療機関での診察や画像検査が必要です。
現在は、バレエでのルルベや踵を上げる動作を行った際に、足背部からリスフラン関節周囲にかけて痛みが強く出ています。
また、日常生活でパンプスなどの踵が高い靴を履いた場合にも痛みが出やすい状態です。
練習をしばらく休むと症状は軽減しますが、練習を再開すると再び痛みが出てくるという経過が認められています。
現時点では、指で痛みの場所を確認しても、明確な圧痛点をすぐに特定できる状態ではありません。また、通常歩行や日常生活に深刻な支障が出るほどの症状も、今のところは認められていません。
今回の痛みで考えられる状態としては、
・リスフラン関節周囲に反復負荷が加わっている疑い
・中足骨の骨ストレス反応の疑い
・疲労骨折に至る前段階の疑い
・足背部を通る腱や腱鞘の炎症の疑い
・フライバーグ病初期の疑い
などが挙げられます。
リスフラン関節周囲の障害では、足背部の痛みや、立位・歩行・蹴り出し動作で症状が強くなることがあります。また、片脚での踵上げは中足部へ大きな負荷を加える動作であり、今回のルルベ時痛とも関連する可能性があります。
フライバーグ病は主に中足骨頭、特に第2中足骨頭周辺に生じる骨・関節の障害です。今回のようにリスフラン関節周囲が中心で、限局的な圧痛点が明確でない場合には、現時点でフライバーグ病の疑いが最も高いと断定することはできません。
一方で、バレエ選手では第2中足骨基部、つまりリスフラン関節に近い場所の骨ストレス障害や疲労骨折が報告されています。練習を休むと軽減し、再開すると再発する経過は、骨・関節・腱に反復負荷が加わっている可能性を考える材料になります。
そのため、からだちでは現時点で一つの疾患に絞り込むのではなく、足背部の骨・関節・腱周囲に繰り返し負荷が加わっている状態として、症状の変化を慎重に確認していくことが重要だと考えています。
② 練習・日常生活での注意点

今回、最も注意していただきたいことは、痛みの場所や状態を自分で確認しようとして、患部を繰り返し強く押したり、足部を強く曲げたりしないことです。
状態を確かめるために何度も患部へ刺激を加えると、その確認動作自体が骨・関節・腱への追加負荷になる可能性があります。
日常生活では、
・パンプスやヒールの高い靴をできるだけ避ける
・踵が低く、足部が安定するスニーカーに近い靴を使用する
・長時間のつま先立ちを避ける
・痛みを確認するために何度も踵上げを行わない
・足背部を強く反らせる動作を避ける
ことを意識してください。
練習ではルルベやポワント動作を完全に避けられない場合もありますが、痛みが強くなる日は、回数・保持時間・高さを調整する必要があります。
特に、
・練習中に痛みが徐々に強くなる
・痛みをかばって動作が変わる
・練習後に歩行痛が残る
・翌朝まで痛みが残る
・前回よりも少ない練習量で痛みが出る
場合は、現状より負荷が高すぎる可能性があります。
ストレッチや「甲出し」を行う際は、つま先を床に固定した状態や、足部の両側を固定した状態で、外から強く足背部を反らせる方法は避けてください。
現在は、外から力を加える強い他動ストレッチではなく、足先を固定しない状態で、自分の筋力だけを使って動かす自動運動をおすすめします。
自動運動であっても痛みが出る範囲までは動かさず、無理なく動かせる範囲で行いましょう。
からだちでは、柔軟性を高めることよりも、まずは患部を現状より悪化させないことを優先して取り組みます。
③ からだちからの提案(セルフケア・経過観察・受診目安)

練習後に足背部の痛みが出ている場合は、タオルなどを介して10〜15分程度を目安にアイシングを行ってください。
アイシングは長時間続けるのではなく、皮膚の状態を確認しながら短時間で行いましょう。
普段のセルフケアとしては、
・できるだけ湯船に浸かる
・全身を温めて疲労回復を促す
・入浴後に痛みのない範囲で足関節を動かす
・足背部を強く揉まない
・患部を繰り返し押して確認しない
・十分な睡眠と食事を確保する
ことを意識してください。
交替浴を行う場合は、洗面器に冷水を用意し、湯船で身体を温めることと、足部を短時間冷やすことを無理のない範囲で交互に行ってください。
ただし、交替浴は必ず行わなければならないものではありません。冷水によって痛みが強くなる場合や、足部の感覚が鈍くなるほど長く冷やすことは避けましょう。
現時点で疲労骨折と判断することはできませんが、骨ストレス障害は、骨への軽いストレス反応から疲労骨折まで連続的に進行することがあります。運動時だけの痛みが、進行すると歩行時痛・安静時痛・夜間痛へ変化することもあるため、現状より進行させないことが大切です。
特に、
・圧痛点が一か所にはっきりしてきた
・足背部の腫れや熱感が出てきた
・足の甲や足裏に皮下出血が出てきた
・通常歩行でも痛みが出る
・跛行が出る
・片脚での踵上げができない
・安静時や夜間にも痛む
・休んでも練習再開のたびに繰り返す
・症状が徐々に強くなっている
場合は、練習を継続せず、整形外科で画像検査を含めた確認を受けることをおすすめします。
骨ストレス障害は初期の画像検査では分かりにくい場合もあり、症状が続く場合には医師の判断で追加検査が検討されます。
足の中足部は、バレエ動作だけでなく、立っている時や歩いている時にも繰り返し荷重が加わります。そのため、練習だけを休んでいても、日常生活で負荷が完全になくなる部位ではありません。
今の目標は、痛みを何度も確認することではなく、練習量・履物・ストレッチ方法を整え、症状が進行しない環境を作ることです。
長くバレエを続けるために、からだちの先生と一緒に足部への負荷を確認しながら、疲労骨折などの骨ストレス障害へ進行させない身体づくりに取り組んでいきましょう。